スイカの育て方
■■■ スイカの育て方 ■■■
<野菜別栽培方法:スイカ>
※中部地方太平洋側(夏:暖地 冬:中間地)基準です。


<野菜科目> ウリ科
<参考価格> 接ぎ木苗1苗220円前後
<栽培適温> 25~30℃
ウリ科一年草で南アフリカ原産。
夏の風物詩的なデザートで、果物と言いたいところですが園芸的には野菜に分類されます。
もちろん暑さに強く寒さは苦手。
甘く美味しいだけでなく、利尿作用があり腎臓にも良いとされる野菜です。
小玉の品種が比較的育てやすく収量も多いが、やはり大玉スイカを育てて日本の夏を満喫したいところ。
ねっこは大玉スイカの「紅大」がお気に入りです。
果肉の黄色いスイカや種無しスイカ、黒皮などの変わり種もあり。
たまにニュースなどで出る四角スイカは品種ではなく容器に入れて強制的に四角く育てた物です。
↓空中栽培で育った大玉スイカ。


連作にとても弱い。
4年はウリ科を作っていない所で育ててください。
キュウリ、メロン、カボチャ、ズッキーニなどがウリ科です。
ただしスイカは接ぎ木苗が基本なので、接ぎ木苗を選べばある程度連作障害を軽減できます。
→ 野菜科目一覧へ

<適正pH> 5.5~6.5
2週間前に苦土石灰を普通に(目安:100g/m2)。
1週間前に元肥を少なめに。
ウリ科で蔓ボケしてしまうため窒素を抑えて肥料は少なめに。
過湿をかなり嫌うので水はけも重要です。

蔓を伸ばし1株でかなりの面積を占有します。
1株の生育途中でも上のような状態。
また日照時間も必要なので広く水はけも良く陽当たりのいい場所選びをしてください。
空中栽培ならスペースの節約も可能です。
場所を取り実も大きく育つためプランター栽培は基本的に不可ですが、小玉スイカをループ仕立てにしてプランター栽培するベテランもいるとか。


<定植時期> 4月中旬~5月中旬
<株間> 100cm+蔓を伸ばすスペースが必要
種から育てることもできますがスイカは接ぎ木苗で育てた方が無難です。
自作で接ぎ木苗を作るのは大変なので苗を購入した方がいいでしょう。
市販されているスイカ苗も大半が接ぎ木苗です。
植える前に泥はねしないよう黒マルチも欲しいところ。

水はけが良くなるよう高めの畝に浅植えします。
この時、接ぎ木部分まで土をかぶせてしまわないように注意。
植え付けが終わったらすぐ「あんどん」にして保温と防風をしてください。
寒さに弱い他、あんどんにすることで天敵のウリハムシから苗を守ることができます。
スイカは生長が早いので大きめの袋であんどんにするといいでしょう。

水やりはよほど乾燥した時以外は基本雨まかせ。
黒マルチにしてあれば乾燥も防げます。
追肥はタイミングが重要で、狙った数の実が着果してある程度育つまでは追肥をしません。
着果前に追肥をしてしまうと蔓ばかりが伸びて上手く着果しなくなります。
根がかなり伸びているので、追肥は株元ではなく蔓が伸びた先に施してください。


・三本仕立て
スイカの整枝方法はいろいろあると思いますが、ここではねっこ流の整枝を紹介します。
親蔓は5~6節で摘心し、伸びてきた子蔓のうち元気の良い3本だけを育てます。
子蔓が伸び始めたら蔓を伸ばすスペースには敷藁をして土に触れないようにしてください。
ある程度育つと今度は孫蔓が伸びてくるので、孫蔓は全て葉を1枚残して摘心。
しっかり整枝して管理しないと孫蔓が伸び出した後はごちゃごちゃになって大変なことになります。
完全放置でも育つことは育つんですけどね。

・誘引
しっかりと管理するためには適切な誘引が必要。
子蔓3本を同じ方向へ並行して伸ばしてやると管理が楽です。
3日に1度は先端を誘引して、その際は割り箸をクロスさせるように止めると風に振り回されず目印にもなって安心。
先端以外は巻き蔓が敷藁に絡みつくので大丈夫です。

・人工受粉
狙った位置への着果確率を上げるには人工受粉が必要です。
特に梅雨時はなかなか自然受粉してくれません。
雌花は花の下に小さなスイカが付いている(上の写真)ので、雄花の花びらを取り除き中の花粉を雌花の柱頭にこすりつけます。
子蔓の16~20節辺りが着果位置の目安だけど多少遅れても問題ありません。
受粉は朝9時頃までに終わらせないと受粉能力が落ちるので注意。
実の数は1蔓に1個、子蔓3本なので1株に3個とします。
質より量重視ならもっと増やせますが、大きくて甘いスイカを狙うなら1株3個までが無難。
小玉ならもう少し増やしてもいいかと。
余分に受粉させておいて、実の生長が確実になったら1蔓1個に絞るといいでしょう。
着果させた子蔓は着果後15節ぐらいさらに伸ばしてから摘心しています。

・玉直し
実の直径が15cmぐらいになったら行っておきたいのが玉直し。
蔓を折らないよう注意しつつ実の上下をひっくり返す作業です。
スイカの皮は陽に当たらないと緑色にならないため万遍なく陽に当てて色付きを良くします。
1度やれば色付くけど心配なら後日もう1回。
この際に新しい藁や発泡剤のクッションなどを実の下に敷いて腐り防止の枕にしてやります。
空中栽培は玉直しの必要無し。


<収穫時期> 7月下旬~8月下旬
収穫は受粉から40~45日前後が目安。
素人ではスイカの完熟時を見分けるのが難しいので、人工受粉した際には下の写真のように日付のタグを付けるようにしましょう。
葉に隠れて見落とさないよう棒を立てておくのもお勧めです。
小玉スイカの場合は25日前後だと思いますが品種別に要確認。

人工受粉した場合やおおよその受粉日が判ってる場合は問題ありませんが、困るのは自然受粉して見落としていた時。
こうなると経験に頼った完熟判断をするしかありません。
目安としては、実の付いた節にある巻き蔓が枯れている、ツヤが鈍くなるなど。
プロがよく行う音での判断は、指の腹で叩いてみてポンポンといい音がすると完熟、高い硬めの音は未熟、ボンボンと鈍い音は熟れすぎ・・・ですが慣れないとなかなか難しいです。
↓収穫時を迎えた実の巻き蔓。



・台芽
接ぎ木苗を使う時に注意したいのが台芽。
台木(接いだ下の部分)から出てくる芽のことです。
スイカの台木にはユウガオやカボチャがよく使われていて、この台芽を放置すると肝心のスイカが上手く育ちません。
苗を植えてしばらくは株元の葉をよく確認してください。

・空中栽培
スイカは通常地這いで育てる物。
しかし工夫次第では写真のように空中栽培もできます。
メリットは省スペース、敷藁の節約、実の見落としが無いなど。
畑見学に来た人の注目の的にもなりますw
夏の陽射しに弱い野菜を空中スイカの下で育てれば一石二鳥。
しかし誘引が面倒だったり実を1個1個ネットで支えたりと手間が増えるのが難点です。
・種無しスイカ
一昔前に流行った種無しスイカ。
普通のスイカより実の品質が劣り、手間かかる割に需要が低いので最近ではあまり見かけませんが、取り扱い品種の多い園芸店などでは種無しスイカの苗も購入できます。
興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに種無しスイカを育てる場合、普通の種有りスイカも一緒に育てその花粉を受粉させる必要があります。
種無しスイカ1株のみで作ることはできません。
昔テレビだか本だかで見た知識で簡単に説明すると、スイカの染色体数は2n(2の倍数)。
通常は2nと2nが交配して2nのスイカができます。
しかし薬品処理で染色体数を倍加させて4nのスイカを作り、これを普通のスイカと交配させると2nと4nの交配で3nのスイカになります。
染色体数が奇数だと生殖細胞が正常に働かず種が作られないため種なしスイカになるってことだったと思います。

<害虫>
ウリハムシ、アブラムシ、ハダニなど。
初期のウリハムシが最大の敵。
孫蔓が伸び出す頃になれば多少ウリハムシが飛び交っていても耐えられます。
→ 害虫図鑑へ
<病気>
炭そ病、つる枯病、うどんこ病、モザイク病、つる割病など。
やや病気に弱め。
植え付けシーズン的にどうしても梅雨を越すことになるので、過湿による病気に注意が必要です。
↓炭そ病にかかったスイカの葉。

※あくまでねっこ流の育て方です。
プロ農家ではないので間違ってても笑って許してね!
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<野菜別栽培方法:スイカ>
※中部地方太平洋側(夏:暖地 冬:中間地)基準です。



<参考価格> 接ぎ木苗1苗220円前後
<栽培適温> 25~30℃
ウリ科一年草で南アフリカ原産。
夏の風物詩的なデザートで、果物と言いたいところですが園芸的には野菜に分類されます。
もちろん暑さに強く寒さは苦手。
甘く美味しいだけでなく、利尿作用があり腎臓にも良いとされる野菜です。
小玉の品種が比較的育てやすく収量も多いが、やはり大玉スイカを育てて日本の夏を満喫したいところ。
ねっこは大玉スイカの「紅大」がお気に入りです。
果肉の黄色いスイカや種無しスイカ、黒皮などの変わり種もあり。
たまにニュースなどで出る四角スイカは品種ではなく容器に入れて強制的に四角く育てた物です。
↓空中栽培で育った大玉スイカ。


連作にとても弱い。
4年はウリ科を作っていない所で育ててください。
キュウリ、メロン、カボチャ、ズッキーニなどがウリ科です。
ただしスイカは接ぎ木苗が基本なので、接ぎ木苗を選べばある程度連作障害を軽減できます。
→ 野菜科目一覧へ

<適正pH> 5.5~6.5
2週間前に苦土石灰を普通に(目安:100g/m2)。
1週間前に元肥を少なめに。
ウリ科で蔓ボケしてしまうため窒素を抑えて肥料は少なめに。
過湿をかなり嫌うので水はけも重要です。

蔓を伸ばし1株でかなりの面積を占有します。
1株の生育途中でも上のような状態。
また日照時間も必要なので広く水はけも良く陽当たりのいい場所選びをしてください。
空中栽培ならスペースの節約も可能です。
場所を取り実も大きく育つためプランター栽培は基本的に不可ですが、小玉スイカをループ仕立てにしてプランター栽培するベテランもいるとか。


<定植時期> 4月中旬~5月中旬
<株間> 100cm+蔓を伸ばすスペースが必要
種から育てることもできますがスイカは接ぎ木苗で育てた方が無難です。
自作で接ぎ木苗を作るのは大変なので苗を購入した方がいいでしょう。
市販されているスイカ苗も大半が接ぎ木苗です。
植える前に泥はねしないよう黒マルチも欲しいところ。

水はけが良くなるよう高めの畝に浅植えします。
この時、接ぎ木部分まで土をかぶせてしまわないように注意。
植え付けが終わったらすぐ「あんどん」にして保温と防風をしてください。
寒さに弱い他、あんどんにすることで天敵のウリハムシから苗を守ることができます。
スイカは生長が早いので大きめの袋であんどんにするといいでしょう。

水やりはよほど乾燥した時以外は基本雨まかせ。
黒マルチにしてあれば乾燥も防げます。
追肥はタイミングが重要で、狙った数の実が着果してある程度育つまでは追肥をしません。
着果前に追肥をしてしまうと蔓ばかりが伸びて上手く着果しなくなります。
根がかなり伸びているので、追肥は株元ではなく蔓が伸びた先に施してください。


・三本仕立て
スイカの整枝方法はいろいろあると思いますが、ここではねっこ流の整枝を紹介します。
親蔓は5~6節で摘心し、伸びてきた子蔓のうち元気の良い3本だけを育てます。
子蔓が伸び始めたら蔓を伸ばすスペースには敷藁をして土に触れないようにしてください。
ある程度育つと今度は孫蔓が伸びてくるので、孫蔓は全て葉を1枚残して摘心。
しっかり整枝して管理しないと孫蔓が伸び出した後はごちゃごちゃになって大変なことになります。
完全放置でも育つことは育つんですけどね。

・誘引
しっかりと管理するためには適切な誘引が必要。
子蔓3本を同じ方向へ並行して伸ばしてやると管理が楽です。
3日に1度は先端を誘引して、その際は割り箸をクロスさせるように止めると風に振り回されず目印にもなって安心。
先端以外は巻き蔓が敷藁に絡みつくので大丈夫です。

・人工受粉
狙った位置への着果確率を上げるには人工受粉が必要です。
特に梅雨時はなかなか自然受粉してくれません。
雌花は花の下に小さなスイカが付いている(上の写真)ので、雄花の花びらを取り除き中の花粉を雌花の柱頭にこすりつけます。
子蔓の16~20節辺りが着果位置の目安だけど多少遅れても問題ありません。
受粉は朝9時頃までに終わらせないと受粉能力が落ちるので注意。
実の数は1蔓に1個、子蔓3本なので1株に3個とします。
質より量重視ならもっと増やせますが、大きくて甘いスイカを狙うなら1株3個までが無難。
小玉ならもう少し増やしてもいいかと。
余分に受粉させておいて、実の生長が確実になったら1蔓1個に絞るといいでしょう。
着果させた子蔓は着果後15節ぐらいさらに伸ばしてから摘心しています。

・玉直し
実の直径が15cmぐらいになったら行っておきたいのが玉直し。
蔓を折らないよう注意しつつ実の上下をひっくり返す作業です。
スイカの皮は陽に当たらないと緑色にならないため万遍なく陽に当てて色付きを良くします。
1度やれば色付くけど心配なら後日もう1回。
この際に新しい藁や発泡剤のクッションなどを実の下に敷いて腐り防止の枕にしてやります。
空中栽培は玉直しの必要無し。


<収穫時期> 7月下旬~8月下旬
収穫は受粉から40~45日前後が目安。
素人ではスイカの完熟時を見分けるのが難しいので、人工受粉した際には下の写真のように日付のタグを付けるようにしましょう。
葉に隠れて見落とさないよう棒を立てておくのもお勧めです。
小玉スイカの場合は25日前後だと思いますが品種別に要確認。

人工受粉した場合やおおよその受粉日が判ってる場合は問題ありませんが、困るのは自然受粉して見落としていた時。
こうなると経験に頼った完熟判断をするしかありません。
目安としては、実の付いた節にある巻き蔓が枯れている、ツヤが鈍くなるなど。
プロがよく行う音での判断は、指の腹で叩いてみてポンポンといい音がすると完熟、高い硬めの音は未熟、ボンボンと鈍い音は熟れすぎ・・・ですが慣れないとなかなか難しいです。
↓収穫時を迎えた実の巻き蔓。



・台芽
接ぎ木苗を使う時に注意したいのが台芽。
台木(接いだ下の部分)から出てくる芽のことです。
スイカの台木にはユウガオやカボチャがよく使われていて、この台芽を放置すると肝心のスイカが上手く育ちません。
苗を植えてしばらくは株元の葉をよく確認してください。

・空中栽培
スイカは通常地這いで育てる物。
しかし工夫次第では写真のように空中栽培もできます。
メリットは省スペース、敷藁の節約、実の見落としが無いなど。
畑見学に来た人の注目の的にもなりますw
夏の陽射しに弱い野菜を空中スイカの下で育てれば一石二鳥。
しかし誘引が面倒だったり実を1個1個ネットで支えたりと手間が増えるのが難点です。
・種無しスイカ
一昔前に流行った種無しスイカ。
普通のスイカより実の品質が劣り、手間かかる割に需要が低いので最近ではあまり見かけませんが、取り扱い品種の多い園芸店などでは種無しスイカの苗も購入できます。
興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに種無しスイカを育てる場合、普通の種有りスイカも一緒に育てその花粉を受粉させる必要があります。
種無しスイカ1株のみで作ることはできません。
昔テレビだか本だかで見た知識で簡単に説明すると、スイカの染色体数は2n(2の倍数)。
通常は2nと2nが交配して2nのスイカができます。
しかし薬品処理で染色体数を倍加させて4nのスイカを作り、これを普通のスイカと交配させると2nと4nの交配で3nのスイカになります。
染色体数が奇数だと生殖細胞が正常に働かず種が作られないため種なしスイカになるってことだったと思います。

<害虫>
ウリハムシ、アブラムシ、ハダニなど。
初期のウリハムシが最大の敵。
孫蔓が伸び出す頃になれば多少ウリハムシが飛び交っていても耐えられます。
→ 害虫図鑑へ
<病気>
炭そ病、つる枯病、うどんこ病、モザイク病、つる割病など。
やや病気に弱め。
植え付けシーズン的にどうしても梅雨を越すことになるので、過湿による病気に注意が必要です。
↓炭そ病にかかったスイカの葉。

※あくまでねっこ流の育て方です。
プロ農家ではないので間違ってても笑って許してね!
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コメントの投稿
スイカの連作障害について
楽しく拝見させていただいております。1つ教えてください。初チャレンジで昨日スイカを4株定植しました。~で連作障害に非常に弱いと言うことですが、たとえば昨年植えたスイカの場所からどの程度離したら連作障害を避けられるのでしょうか?~1メートルくらいでも連作障害は出るのでしょうか?~スイカの根がどの程度張るのかで違うのでしょうけれども。
No title
>>石井裕之さん
専門的なことは判らないのですが、やはり根が伸びてる範囲じゃないでしょうか?
ウリ科の根は浅く広く伸びます。
蔓が伸びてる先の広さまでは避けた方がいいかもしれないですね。
専門的なことは判らないのですが、やはり根が伸びてる範囲じゃないでしょうか?
ウリ科の根は浅く広く伸びます。
蔓が伸びてる先の広さまでは避けた方がいいかもしれないですね。
ありがとうございました。
アドバイスありがとうございました。
そう言えば昨年かぼちゃを植えたところから1m離れた位置に
キュウリを植えたのですが、成長し無かったことを記憶しています。
連作障害だったのかも知れません。
ありがとうございました。
そう言えば昨年かぼちゃを植えたところから1m離れた位置に
キュウリを植えたのですが、成長し無かったことを記憶しています。
連作障害だったのかも知れません。
ありがとうございました。