ジャガイモの育て方
■■■ ジャガイモの育て方 ■■■
<野菜別栽培方法:ジャガイモ>
※中部地方太平洋側(夏:暖地 冬:中間地)基準です。


<野菜科目> ナス科
<参考価格> 春の男爵1kg250円前後 秋のデジマ1kg500円前後
<栽培適温> 15~25℃
ナス科一年草で南アメリカ原産。
馬鈴薯(ばれいしょ)とも呼ばれます。
日本の一大産地は北海道で年に1回の栽培。
しかし暖かい地域なら春作と秋作の2回栽培することができます。
品種も男爵、デジマ、農林一号、メークイン、アンデスレッド、インカのめざめ、キタアカリなど多くの種類が出回っている。
ただし春作向きや秋作向きで分かれるので品種選定時は注意が必要。
耐暑性が弱く夏の栽培はできません。
あまり高温になると芋自体が育たなくなります。
耐寒性はそこそこ強く、霜が降りる手前ぐらいまでなら耐えられます。
1株あたりの収量目安は大きい芋が大体5~6個。
ねっこの畑では春に男爵、秋にデジマを育てています。
秋作の方が難易度が高く、同じ品種なら収量も少なめ。

連作に弱い。
2年はナス科を作っていない所で育ててください。
ナス・ピーマン・トマト・ジャガイモ・ししとう・唐辛子・パプリカなどがナス科です。
少量なら大きめのプランターで作ることで連作回避できます。
また、大きめの袋に土を入れそのまま育てる袋栽培も可能。
→ 野菜科目一覧へ

<適正pH> 5.0~6.0
2週間前に苦土石灰を少なめに(目安:50g/m2)。
やや酸性寄りの土を好むので、前作でしっかり酸度調整している時は苦土石灰無しでもいいでしょう。
あまりアルカリ寄りの土だと「そうか病」が発生します。
元肥は種芋定植時に一緒に入れるため、一ヶ月前の土作り時に堆肥を入れるだけで構いません。
陽当たりと水はけの良い場所を選んでください。
後で土寄せが必要になるので、定植時の畝は低く広く取って土寄せ分の土を確保しておきます。

<定植時期> 春作:2月下旬~3月上旬 秋作:8月下旬~9月上旬
<株間> 30cm
暑さと霜と梅雨を回避しつつ、100日ほどの栽培期間を確保しないといけません。
そのため暖地の年2回栽培は定植時期がかなりシビア。
春作は霜が終わる頃に植えて梅雨前に収穫、秋作は暑さがピークを過ぎてから植えて霜前に収穫です。
各地の気候に合わせて日数を計算してください。

植え付け時期になると種芋が出回るのでそれを購入して植えます。
秋作の種芋は売りに出てる期間も短いです。
時期を過ぎると手に入らないためこまめにチェックを。
腐りや傷が無く芽がある程度出ている種芋を選びます。
ちなみに秋作の種芋の方が値段は高め。

基本的に種芋は1個そのまま植え付けますが、60g以上の種芋は2等分、120gを越えるようなら4等分して種芋を増やすことができます。
種芋を切る場合はできるだけ断面が小さくなるように切り、切り分けたそれぞれの種芋に芽が2個以上残るようにしてください。
逆に芽が多すぎるようなら少し減らしておくと芽かきの労力を減らせます。
切ったら断面に「ジャガイモシリカ」(下の写真)や草木灰を付け、日陰で2~3日ほど乾かしてから植え付けます。
ただし種芋を切ると腐る可能性も高まるので、種芋に余裕があれば切らない方がいいでしょう。
また暑い時期に植える秋作では切ると大半が腐ります。
秋作では大きすぎる種芋でも切らずにそのまま使ってください。

定植時の株間は30cm。
種芋の上面から5cm覆土する深さに植え付けます。
切った種芋を使う場合は断面を必ず下にして植えてください。
この時、種芋を置く前と置いた上からジャガイモシリカをふりかけると腐り防止に効果的。
種芋を植えたら株と株の合間に化成肥料を少量埋めます。
種芋に触れないよう必ず株間に埋めてください。

秋植えで暑すぎる場合は、定植後に敷藁をして地温を抑制すると種芋の腐りを減らせます。
芽の状態や覆土の厚さ、気温により大きく変わりますが、地表に芽が出るまで大体2週間ちょっとぐらいでしょうか。
結構時間がかかるので辛抱強く待ちましょう。
地上に芽が出始めたら敷藁を撤去します。


追肥は後述の「芽かき」直後に行います。
芋に肥料があたらないよう株元から少し離れた位置へ。
↓はジャガイモの花。
この花が咲く頃になると地中で芋が太り始めています。

水やりは時期により変わってきます。
過湿に弱いので基本は土が乾いたらやる程度。
水をやりすぎると腐ってしまいます。
種芋定植から地上に芽が出るまでは雨任せのほとんど無しで。
萌芽から花の蕾が出る頃までは土が乾燥したら。
花が咲く頃、芋が太り始める時期は水やりを少し増やします。
そして収穫が近付いてくる栽培後期はまた少なく。



・芽かき
芽が地上に出て草丈15~20cmほどになったら行うのが芽かき。
ジャガイモ栽培では収量に関わる重要な作業です。
芽の多い種芋からは何本も芽が伸びてくるので、生育の良い2本を残して他は全てかき取ります。
芽を1本にすると芋は太るけど数が減り、3本以上にすると数は増えるけど芋が小さくなります。
だから2本に調整するのが一般的。

芽かきをする時は根元から引き抜きます。
種芋まで動かないよう土をしっかり押さえ、茎部分をもってまっすぐ引き抜き。
ズボッって感触でしっかり抜ければ成功。
上の写真のように種芋の根元から抜けます。
失敗すると茎が途中で切れてしまいますが神経質になる必要はありません。
芽かきをしたら追肥と土寄せをします。

・土寄せ
芽かきと共に重要なのが土寄せ。
ジャガイモは種芋の上に新芋が広がるため、土が足りないと露出して陽の光が当たってしまいます。
そうなると芋は緑化し食べられなくなるのでしっかり土寄せが必要。
1回目の土寄せは芽かき直後に行います。
畝の端から土を集めて中央を盛り上げる感じに。
新芋のスペースを確保しつつ残した2本の芽の倒伏防止にもなります。
2回目の土寄せは花芽が出てきた頃、芋が露出する心配がありそうな場合だけ。

・マルチ栽培
ジャガイモ栽培を省力化する手としてマルチ栽培する方法もあります。
雑草を防止し土寄せの手間を省く方法。
種芋を深めに植えておき、土をかぶせたら畝ごと黒マルチで覆ってしまいます。
芽が出てくるとマルチを持ち上げるので、そこだけ穴を開けて葉を出してください。
芽かきをしたら土寄せは無しでそのまま育てます。
マルチで日光を遮ることで、土寄せ無しでも芋が緑化するのを防ぐやり方。

・花芽取り
株が育ってくると花芽が出てきます。
ジャガイモは花と新芋とに関連性は無いので、花が咲こうが咲くまいが新芋は育ちます。
関係無いなら花に無駄な養分を使わず、蕾の段階で摘み取って芋に養分を回そうってこと。
ただ、この作業はやってもやらなくても大きな差は無い作業。
プロ農家では膨大な作業になるので行っていません。
家庭菜園レベルならそれほど手間でもないため、特に無施肥農法とか有機農法の場合にやってみるのもありって程度です。


<収穫時期> 春作:6月上旬 秋作:11月下旬~12月上旬
植え付けから100日前後、春作の男爵は梅雨入り前の収穫。
秋作のデジマは霜が降りる頃に収穫をしています。
梅雨に入ると掘る機会が無く、霜が降りると一気に枯れてしまうので植え付け時期との兼ね合いで調整してください。

栽培後半に茎が倒れ、葉が黄色くなってきたら収穫の合図です。
ただし土の養分状態などによっては黄色くなるまで待つと育ちすぎる場合もあります。
目安の時期が来たら試し掘りをし、充分育っていたら茎葉が枯れる前でも収穫しましょう。
特に梅雨入り前は小さくても掘ってしまう決断が必要。

収穫したら1時間ほど日陰で表面を乾燥させます。
直射日光にあてたり長時間明るい場所に置くと緑化してしまうので、特に6月の収穫時は注意。
土寄せが足りず露出して緑化した芋はこの時に避けておきましょう。
表面が乾いたらコンテナや箱にいれて風通しが良く暗い冷暗所で保管します。

・保存方法
ジャガイモの保管はコンテナや箱に詰めて、風通しの良い冷暗所に置いておくだけで長期保存できます。
明るい場所だと緑化してしまうのでそこだけ注意。
蛍光灯の明かりレベルでも緑化します。
芽が出て芋が萎びてくるまで4ヶ月ぐらいは保存できるでしょう。
ジャガイモの休眠期間は品種にもよりますが、春男爵と秋デジマなら収穫後3ヶ月間強です。
休眠期間を過ぎると芽が動き始め、芽に養分を取られて芋がしわしわになってきます。
一般家庭で芽を抑えるのは難しいですが、リンゴを一緒に入れておくとリンゴから出るエチレンガスの効果で多少は芽を抑えられるそうです。

・芽の毒
休眠期間を過ぎると出てくる芽。
栽培する上では必要な芽ですが、食用にする場合は害になります。
ジャガイモの芽にはソラニンという物質が含まれていて、これが食中毒の原因になります。
芽が出た芋も食べることはできますが必ず芽の部分は取り除いて使用してください。
緑化した部分も同様に危険です。
・空洞症
ジャガイモを栽培しているととても大きな芋を収穫できることがあります。
収量が増えて喜びたいところですが、あまり大きすぎる芋は空洞症の恐れがあります。
芋の内部に穴ができる症状。
高温や肥料の効き過ぎなどで急激に芋が太ると起こる生育障害です。
品種によっても差があり男爵は空洞症が出やすい品種。
空洞部分を取り除いて食べられますが、外見からは判断できないので大きすぎる芋にはご注意を。
・検定種芋
年2回いつも園芸店で購入している種芋。
特に秋ジャガの種芋は高く、何倍にもなって取り戻せるとは言っても痛い出費ですよね。
でもよく考えると自分で収穫した芋や市販の芋でも芽が出てきます。
これを種芋として使えないのでしょうか?
結果だけ言えば自作の種芋でも育てることは可能。
ただし病気になりやすいのです。
食用のジャガイモは育てる段階でアブラムシなどがウィルスを媒介して、食べるには問題なくても病気に感染してたりします。
これを種芋として育てると病気が発症しやすく、栽培失敗しやすいって訳。
対して園芸店で種芋として売られている物は、病気をしっかり管理された検定イモ。
なので毎回種芋を購入した方が安心ということです。
あと市販の食用芋は発芽抑制処理されてたりする場合もあるのでさらに不向き。
出費は痛いけど病気で全滅は怖いですからね。
できるだけ購入した種芋を使いましょう。

・ストロン
ジャガイモについての知識で間違いが多いのが芋のできる場所。
根の先にできると思ってる人が多いと思います。
実はあれは根じゃなく地下茎の一種なんですよ。
上の写真で芋が繋がってる白く太い根のような物がそれでストロンと呼ばれています。
ストロンの先端が太ってジャガイモができる訳です。

<害虫>
アブラムシ、ニジュウヤホシテントウ、ヨトウムシ。
ニジュウヤホシテントウとヨトウムシによる葉の食害が出るので多発するようなら駆除を。
アブラムシは病気を媒介するので注意が必要です。
→ 害虫図鑑へ
<病気>
やや病気に弱い野菜です。
モザイク病、疫病、夏疫病、そうか病、軟腐病、黒あざ病など。
疫病と夏疫病は別物で、疫病は過湿により、夏疫病は過乾燥により発病します。

・モザイク病
↑の写真はモザイク病の症状の一種。
モザイク病はウィルスの型ににより数パターンあり、そのうちの一つとして葉に小さな斑点状の壊疽が生じています。
葉が縮れるタイプの症状もあり。
他のジャガイモ株だけでなく、他の野菜に感染する場合もあるので早めに抜き取って焼却処分しましょう。
栽培終盤で既に芋ができているならば食べることはできます。
アブラムシが媒介するのでアブラムシ防除を忘れずに。

・疫病
ジャガイモの病気の中でも特に怖い病気の1つ。
初期は葉の一部分が黄色くなりその箇所が枯れてきます。
上の写真左寄りの葉がその状態。
そして株そのものが腐って枯れてしまいます。
栽培後期で芋ができていても芋にまで症状が出ることも。
怖いのはその感染スピードで、症状が出始めて数日で枯れ始め周りの株にもどんどん広がります。
対応が遅れるとあっさり全滅の恐れもある怖い病気。
発病株を見つけたら早急に抜いて焼却処分してください。
農薬を使えば予防できるけど無農薬栽培では注意しなければいけない病気。
低温時の過湿により発病するので雨の多い時期には要注意です。
※あくまでねっこ流の育て方です。
プロ農家ではないので間違ってても笑って許してね!
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<野菜別栽培方法:ジャガイモ>
※中部地方太平洋側(夏:暖地 冬:中間地)基準です。



<参考価格> 春の男爵1kg250円前後 秋のデジマ1kg500円前後
<栽培適温> 15~25℃
ナス科一年草で南アメリカ原産。
馬鈴薯(ばれいしょ)とも呼ばれます。
日本の一大産地は北海道で年に1回の栽培。
しかし暖かい地域なら春作と秋作の2回栽培することができます。
品種も男爵、デジマ、農林一号、メークイン、アンデスレッド、インカのめざめ、キタアカリなど多くの種類が出回っている。
ただし春作向きや秋作向きで分かれるので品種選定時は注意が必要。
耐暑性が弱く夏の栽培はできません。
あまり高温になると芋自体が育たなくなります。
耐寒性はそこそこ強く、霜が降りる手前ぐらいまでなら耐えられます。
1株あたりの収量目安は大きい芋が大体5~6個。
ねっこの畑では春に男爵、秋にデジマを育てています。
秋作の方が難易度が高く、同じ品種なら収量も少なめ。

連作に弱い。
2年はナス科を作っていない所で育ててください。
ナス・ピーマン・トマト・ジャガイモ・ししとう・唐辛子・パプリカなどがナス科です。
少量なら大きめのプランターで作ることで連作回避できます。
また、大きめの袋に土を入れそのまま育てる袋栽培も可能。
→ 野菜科目一覧へ

<適正pH> 5.0~6.0
2週間前に苦土石灰を少なめに(目安:50g/m2)。
やや酸性寄りの土を好むので、前作でしっかり酸度調整している時は苦土石灰無しでもいいでしょう。
あまりアルカリ寄りの土だと「そうか病」が発生します。
元肥は種芋定植時に一緒に入れるため、一ヶ月前の土作り時に堆肥を入れるだけで構いません。
陽当たりと水はけの良い場所を選んでください。
後で土寄せが必要になるので、定植時の畝は低く広く取って土寄せ分の土を確保しておきます。

<定植時期> 春作:2月下旬~3月上旬 秋作:8月下旬~9月上旬
<株間> 30cm
暑さと霜と梅雨を回避しつつ、100日ほどの栽培期間を確保しないといけません。
そのため暖地の年2回栽培は定植時期がかなりシビア。
春作は霜が終わる頃に植えて梅雨前に収穫、秋作は暑さがピークを過ぎてから植えて霜前に収穫です。
各地の気候に合わせて日数を計算してください。

植え付け時期になると種芋が出回るのでそれを購入して植えます。
秋作の種芋は売りに出てる期間も短いです。
時期を過ぎると手に入らないためこまめにチェックを。
腐りや傷が無く芽がある程度出ている種芋を選びます。
ちなみに秋作の種芋の方が値段は高め。

基本的に種芋は1個そのまま植え付けますが、60g以上の種芋は2等分、120gを越えるようなら4等分して種芋を増やすことができます。
種芋を切る場合はできるだけ断面が小さくなるように切り、切り分けたそれぞれの種芋に芽が2個以上残るようにしてください。
逆に芽が多すぎるようなら少し減らしておくと芽かきの労力を減らせます。
切ったら断面に「ジャガイモシリカ」(下の写真)や草木灰を付け、日陰で2~3日ほど乾かしてから植え付けます。
ただし種芋を切ると腐る可能性も高まるので、種芋に余裕があれば切らない方がいいでしょう。
また暑い時期に植える秋作では切ると大半が腐ります。
秋作では大きすぎる種芋でも切らずにそのまま使ってください。

定植時の株間は30cm。
種芋の上面から5cm覆土する深さに植え付けます。
切った種芋を使う場合は断面を必ず下にして植えてください。
この時、種芋を置く前と置いた上からジャガイモシリカをふりかけると腐り防止に効果的。
種芋を植えたら株と株の合間に化成肥料を少量埋めます。
種芋に触れないよう必ず株間に埋めてください。

秋植えで暑すぎる場合は、定植後に敷藁をして地温を抑制すると種芋の腐りを減らせます。
芽の状態や覆土の厚さ、気温により大きく変わりますが、地表に芽が出るまで大体2週間ちょっとぐらいでしょうか。
結構時間がかかるので辛抱強く待ちましょう。
地上に芽が出始めたら敷藁を撤去します。


追肥は後述の「芽かき」直後に行います。
芋に肥料があたらないよう株元から少し離れた位置へ。
↓はジャガイモの花。
この花が咲く頃になると地中で芋が太り始めています。

水やりは時期により変わってきます。
過湿に弱いので基本は土が乾いたらやる程度。
水をやりすぎると腐ってしまいます。
種芋定植から地上に芽が出るまでは雨任せのほとんど無しで。
萌芽から花の蕾が出る頃までは土が乾燥したら。
花が咲く頃、芋が太り始める時期は水やりを少し増やします。
そして収穫が近付いてくる栽培後期はまた少なく。



・芽かき
芽が地上に出て草丈15~20cmほどになったら行うのが芽かき。
ジャガイモ栽培では収量に関わる重要な作業です。
芽の多い種芋からは何本も芽が伸びてくるので、生育の良い2本を残して他は全てかき取ります。
芽を1本にすると芋は太るけど数が減り、3本以上にすると数は増えるけど芋が小さくなります。
だから2本に調整するのが一般的。

芽かきをする時は根元から引き抜きます。
種芋まで動かないよう土をしっかり押さえ、茎部分をもってまっすぐ引き抜き。
ズボッって感触でしっかり抜ければ成功。
上の写真のように種芋の根元から抜けます。
失敗すると茎が途中で切れてしまいますが神経質になる必要はありません。
芽かきをしたら追肥と土寄せをします。

・土寄せ
芽かきと共に重要なのが土寄せ。
ジャガイモは種芋の上に新芋が広がるため、土が足りないと露出して陽の光が当たってしまいます。
そうなると芋は緑化し食べられなくなるのでしっかり土寄せが必要。
1回目の土寄せは芽かき直後に行います。
畝の端から土を集めて中央を盛り上げる感じに。
新芋のスペースを確保しつつ残した2本の芽の倒伏防止にもなります。
2回目の土寄せは花芽が出てきた頃、芋が露出する心配がありそうな場合だけ。

・マルチ栽培
ジャガイモ栽培を省力化する手としてマルチ栽培する方法もあります。
雑草を防止し土寄せの手間を省く方法。
種芋を深めに植えておき、土をかぶせたら畝ごと黒マルチで覆ってしまいます。
芽が出てくるとマルチを持ち上げるので、そこだけ穴を開けて葉を出してください。
芽かきをしたら土寄せは無しでそのまま育てます。
マルチで日光を遮ることで、土寄せ無しでも芋が緑化するのを防ぐやり方。

・花芽取り
株が育ってくると花芽が出てきます。
ジャガイモは花と新芋とに関連性は無いので、花が咲こうが咲くまいが新芋は育ちます。
関係無いなら花に無駄な養分を使わず、蕾の段階で摘み取って芋に養分を回そうってこと。
ただ、この作業はやってもやらなくても大きな差は無い作業。
プロ農家では膨大な作業になるので行っていません。
家庭菜園レベルならそれほど手間でもないため、特に無施肥農法とか有機農法の場合にやってみるのもありって程度です。


<収穫時期> 春作:6月上旬 秋作:11月下旬~12月上旬
植え付けから100日前後、春作の男爵は梅雨入り前の収穫。
秋作のデジマは霜が降りる頃に収穫をしています。
梅雨に入ると掘る機会が無く、霜が降りると一気に枯れてしまうので植え付け時期との兼ね合いで調整してください。

栽培後半に茎が倒れ、葉が黄色くなってきたら収穫の合図です。
ただし土の養分状態などによっては黄色くなるまで待つと育ちすぎる場合もあります。
目安の時期が来たら試し掘りをし、充分育っていたら茎葉が枯れる前でも収穫しましょう。
特に梅雨入り前は小さくても掘ってしまう決断が必要。

収穫したら1時間ほど日陰で表面を乾燥させます。
直射日光にあてたり長時間明るい場所に置くと緑化してしまうので、特に6月の収穫時は注意。
土寄せが足りず露出して緑化した芋はこの時に避けておきましょう。
表面が乾いたらコンテナや箱にいれて風通しが良く暗い冷暗所で保管します。

・保存方法
ジャガイモの保管はコンテナや箱に詰めて、風通しの良い冷暗所に置いておくだけで長期保存できます。
明るい場所だと緑化してしまうのでそこだけ注意。
蛍光灯の明かりレベルでも緑化します。
芽が出て芋が萎びてくるまで4ヶ月ぐらいは保存できるでしょう。
ジャガイモの休眠期間は品種にもよりますが、春男爵と秋デジマなら収穫後3ヶ月間強です。
休眠期間を過ぎると芽が動き始め、芽に養分を取られて芋がしわしわになってきます。
一般家庭で芽を抑えるのは難しいですが、リンゴを一緒に入れておくとリンゴから出るエチレンガスの効果で多少は芽を抑えられるそうです。

・芽の毒
休眠期間を過ぎると出てくる芽。
栽培する上では必要な芽ですが、食用にする場合は害になります。
ジャガイモの芽にはソラニンという物質が含まれていて、これが食中毒の原因になります。
芽が出た芋も食べることはできますが必ず芽の部分は取り除いて使用してください。
緑化した部分も同様に危険です。
・空洞症
ジャガイモを栽培しているととても大きな芋を収穫できることがあります。
収量が増えて喜びたいところですが、あまり大きすぎる芋は空洞症の恐れがあります。
芋の内部に穴ができる症状。
高温や肥料の効き過ぎなどで急激に芋が太ると起こる生育障害です。
品種によっても差があり男爵は空洞症が出やすい品種。
空洞部分を取り除いて食べられますが、外見からは判断できないので大きすぎる芋にはご注意を。
・検定種芋
年2回いつも園芸店で購入している種芋。
特に秋ジャガの種芋は高く、何倍にもなって取り戻せるとは言っても痛い出費ですよね。
でもよく考えると自分で収穫した芋や市販の芋でも芽が出てきます。
これを種芋として使えないのでしょうか?
結果だけ言えば自作の種芋でも育てることは可能。
ただし病気になりやすいのです。
食用のジャガイモは育てる段階でアブラムシなどがウィルスを媒介して、食べるには問題なくても病気に感染してたりします。
これを種芋として育てると病気が発症しやすく、栽培失敗しやすいって訳。
対して園芸店で種芋として売られている物は、病気をしっかり管理された検定イモ。
なので毎回種芋を購入した方が安心ということです。
あと市販の食用芋は発芽抑制処理されてたりする場合もあるのでさらに不向き。
出費は痛いけど病気で全滅は怖いですからね。
できるだけ購入した種芋を使いましょう。

・ストロン
ジャガイモについての知識で間違いが多いのが芋のできる場所。
根の先にできると思ってる人が多いと思います。
実はあれは根じゃなく地下茎の一種なんですよ。
上の写真で芋が繋がってる白く太い根のような物がそれでストロンと呼ばれています。
ストロンの先端が太ってジャガイモができる訳です。

<害虫>
アブラムシ、ニジュウヤホシテントウ、ヨトウムシ。
ニジュウヤホシテントウとヨトウムシによる葉の食害が出るので多発するようなら駆除を。
アブラムシは病気を媒介するので注意が必要です。
→ 害虫図鑑へ
<病気>
やや病気に弱い野菜です。
モザイク病、疫病、夏疫病、そうか病、軟腐病、黒あざ病など。
疫病と夏疫病は別物で、疫病は過湿により、夏疫病は過乾燥により発病します。

・モザイク病
↑の写真はモザイク病の症状の一種。
モザイク病はウィルスの型ににより数パターンあり、そのうちの一つとして葉に小さな斑点状の壊疽が生じています。
葉が縮れるタイプの症状もあり。
他のジャガイモ株だけでなく、他の野菜に感染する場合もあるので早めに抜き取って焼却処分しましょう。
栽培終盤で既に芋ができているならば食べることはできます。
アブラムシが媒介するのでアブラムシ防除を忘れずに。

・疫病
ジャガイモの病気の中でも特に怖い病気の1つ。
初期は葉の一部分が黄色くなりその箇所が枯れてきます。
上の写真左寄りの葉がその状態。
そして株そのものが腐って枯れてしまいます。
栽培後期で芋ができていても芋にまで症状が出ることも。
怖いのはその感染スピードで、症状が出始めて数日で枯れ始め周りの株にもどんどん広がります。
対応が遅れるとあっさり全滅の恐れもある怖い病気。
発病株を見つけたら早急に抜いて焼却処分してください。
農薬を使えば予防できるけど無農薬栽培では注意しなければいけない病気。
低温時の過湿により発病するので雨の多い時期には要注意です。
※あくまでねっこ流の育て方です。
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はじめまして。
夜分遅くに突然のメールをお許しください。
私は、北海道芸術デザイン専門学校でCG.webクリエーターを専攻している学生です。
現在、卒業制作として食育をテーマにしたiPad専用アプリを制作しています。
土から育つ野菜の生育過程をおさめた写真素材を探していまして、貴殿のサイトブログを拝見し、ぜひ以下の日付にある写真を使わせて頂きたいと思いメールしました。
・じゃがいもの収穫の写真
・白菜の種の写真
・白菜の収穫の写真
・キュウリの種の写真
・ピーマンの収穫の写真
大変恐縮ですが、計5枚の写真をどうか使用させていただけないでしょうか?
お手数をおかけして申し訳ありませんが、お返事お待ちしております。
乱文失礼しました。
私は、北海道芸術デザイン専門学校でCG.webクリエーターを専攻している学生です。
現在、卒業制作として食育をテーマにしたiPad専用アプリを制作しています。
土から育つ野菜の生育過程をおさめた写真素材を探していまして、貴殿のサイトブログを拝見し、ぜひ以下の日付にある写真を使わせて頂きたいと思いメールしました。
・じゃがいもの収穫の写真
・白菜の種の写真
・白菜の収穫の写真
・キュウリの種の写真
・ピーマンの収穫の写真
大変恐縮ですが、計5枚の写真をどうか使用させていただけないでしょうか?
お手数をおかけして申し訳ありませんが、お返事お待ちしております。
乱文失礼しました。