害虫図鑑
■■■ 害虫図鑑 ■■■
<野菜作りで出会う害虫達>
野菜作りをする上で避けては通れないのが害虫対策。
比較的害虫に強い野菜もありますが、何も対策をしないとまともに収穫できない野菜も多いです。
対策をするためにはまず敵を知ること。
このコーナーでは家庭菜園でよく出会う害虫達を写真付きで紹介していきます。
名前が判れば対策法を探すこともできるので図鑑として役立ててください。
五十音順になっていて、要注意度は家庭菜園における駆除の優先度です。
(★:緊急性低め ~ ★★★:必ず対策が必要)。

●アオバハゴロモ <要注意度:★>
野菜や花など種類を問わず発生する害虫。
写真はアオバハゴロモの幼虫で、白い綿に混じって見分け辛いですが中央付近に一匹います。
この幼虫が出す白い綿状の分泌物が野菜の茎などに付着しているのをよく見かけます。
白い綿を取り除こうとすると綿の一部が飛んでくる(これが幼虫本体)ので驚くことも。
吸汁性の害虫ですが実害はあまり無く、大量発生しなければ放置してても問題ありません。


●アオムシ <要注意度:★★>
チョウの幼虫の中でも毛がなく緑色の個体を指しますが、家庭菜園で一般的なのはモンシロチョウの幼虫。
主にアブラナ科の野菜を狙ってきます。
モンシロチョウがアブラナ科野菜の周りを飛んでいたら要注意。
葉の裏に楕円形の小さな卵を一粒ずつ産み付けています(写真2枚目)。
葉の葉脈のみを残して食い荒らすので、寒冷紗など卵を産み付けられないようにする対策が重要。
↓はキャベツの中でぬくぬくと生き延び蛹化したアオムシ。


●アザミウマ <要注意度:★>
作物を吸汁して組織を傷つける害虫。
体長1mm以下と非常に小さく肉眼では見え辛い。
家庭菜園では写真のネギアザミウマをよく見かけます。
被害を受けた箇所は葉の表面が白くなってくるので、そこで初めてアザミウマにやられてると気付きます。

●アゲハ <要注意度:★★>
アゲハチョウの幼虫。
ニンジンやパセリなどの葉を好んで食べます。
食欲旺盛で放置するとすぐに葉が丸坊主に。
キアゲハが一番多く、葉に黄色い粒が付いていたら卵なので要注意です。
駆除の際に触るとオレンジ色の触角を出して臭いで威嚇してきます。

●アブラムシ <要注意度:★>
害虫の基本とも言うべきアブラムシ。
葉の裏側に大量に発生します。
最初は少ない数が飛来してきてそこから単為生殖で一気に増殖。
アブラムシと共存するアリが集まってくるので、株にアリが登ってるのを見かけたらご注意を。
ちなみにアブラムシと一緒に写ってる白い細かいのはアブラムシが脱皮した抜け殻です。
葉が弱ったりしますが野菜自体を直接食害することは少ないです。
しかし数々の病気を媒介するので放置すると大変なことに。
農薬なら多くの薬が対応してる他、ストチューや牛乳スプレーなどの自然農薬対応、天敵であるテントウムシ利用など対処法もいろいろあります。
↓の黒いアブラムシはワタアブラムシ。


●アメリカミズアブ <要注意度:★>
成虫は蜂に似た姿ですがハエの仲間で人を刺したりはしません。
畑で関わるのは写真の幼虫で、堆肥場やコンポストなど生ゴミがある場所に大量発生します。
直接の被害はありませんが、大きめのウジ虫がたくさん沸くため非常に気持ち悪い。
冬にはいなくなるものの、夏場堆肥場を開けたらこれが大量にいたりすると泣きたくなります。
生ゴミの分解能力はミミズ以上のため悪いことばかりではないのですがやはり不快害虫。

●アワダチソウグンバイ <要注意度:★>
キク科野菜やサツマイモに発生する3mmほどの小さな害虫。
作物を吸汁して組織を傷つけるため葉が白くかすれてきます。
名前の由来は羽根の形が相撲の行司が持つ軍配に似ていることから。
北米からの侵入害虫で近年生息域が拡大してるとか。
名前の通り本来はセイタカアワダチソウに付いていた害虫が野菜を食害するようになったようです。

●アワノメイガ <要注意度:★★★>
とうもろこしの主要害虫にして最大の敵。
とうもろこしの栽培はこのアワノメイガをどう対処するかどうかで決まります。
駆除をしていないと実の中に入り食い荒らす他、茎の中も食い進むので株ごと枯れる場合もあります。
虫の痕跡を見つけた時には既に入り込まれてることも多く、無農薬では対処が難しい害虫。
苗を保温しての早採り栽培ならアワノメイガの発生時期前に収穫することも一応可能。

●イモキバガ <要注意度:★>
さつまいもの葉を食べる害虫でイモコガと呼ばれる場合も。
写真のように糸を吐いて葉を二つ折りにしてその中に居座ります。
中から薄皮一枚残して葉の表面だけを食べる器用なやつ。
被害葉は目立つが葉の増えるペースの方が速いため実害は少ない。
●イモコガ →イモキバガへ

●イラガ <要注意度:★>
野菜ではなく果樹に多い害虫。
葉の裏に数匹集まってたりします。
葉を食い荒らされてたらゴム手袋などでしっかりガードしてから調査と駆除を。
トゲに毒があるため素手で触ると激痛が走り、数日赤く腫れてかゆみが続きます。
痛みが強いため電気虫と呼ばれたり、地方によって多数の呼び名があります。
●ウスカワマイマイ →カタツムリへ

●ウリハムシ <要注意度:★★>
キュウリ、カボチャ、スイカなどウリ科野菜の主要害虫。
大量に飛んできては葉を食い荒らす他、実の表面を囓ることも。
追い払ってもすぐにまた飛んで戻ってきます。
特に小さい苗の頃には葉を全て囓られ枯らされることも多々あり。
また株元に卵を産み付け、幼虫が根に対しても加害します。

●ウワバ <要注意度:★>
ヨトウムシやアオムシなどと間違えやすい害虫。
葉物野菜なども食べるため被害は出るが、多発しないので厄介度は低め。
ヨトウムシとの違いはヨトウムシが後ろ足4対に対してウワバは2対のみ。
またシャクトリ状に歩くためアオムシとも判別できます。
↓はウリ科野菜に付くウリキンウワバ。


●カタツムリ <要注意度:★>
みなさんご存じカタツムリ。
種類が多いので一纏めでカタツムリとして扱います。
子供が喜ぶカタツムリも野菜を食害する種類があり畑では立派な害虫。
白菜やレタスなど葉物中心に食害します。
上の写真はウスカワマイマイ。
育っても直径2cm前後の小さいカタツムリで、畑の害虫としてのカタツムリでは一番よく見かける種類だと思います。
●カブラハバチ →ナノクロムシへ
●カブラヤガ →ネキリムシへ

●カミキリムシ <要注意度:★★>
畑で問題となるのはカミキリムシの幼虫で、果樹に大きな被害を与えます。
幼虫が幹の中を食い進み、場合によっては木そのものを枯らせてしまうことも。
うちの畑ではハッサク・みかんなど柑橘類の天敵です。
幼虫の状態ではテッポウムシとも呼ばれていて、木の幹に丸い穴が空いていたら侵入された可能性あり。
成虫を見かけたら卵を産み付けられないよう駆除し、幹に穴が空いてないか確認しましょう。
↓はご存じカミキリムシ成虫。


●カメムシ <要注意度:★>
非常に種類の多いカメムシ。
大きさや色・形も様々です。
「カメムシ」ってのはカメムシ科の総称で正式名称がカメムシって虫はいません。
触るときつい臭いを出すことでも有名ですね。
オクラや枝豆など一部の野菜の実を吸汁して被害を与える他、果樹の実に大きな被害を与えます。
↓はフタスジハリカメムシの卵


●キスジノミハムシ <要注意度:★★>
アブラナ科を狙ってくる難防除害虫。
体長2mmほどで寒冷紗を抜けてくる上、人が近付くと飛び跳ねて逃げるので捕殺も困難。
しかも世代交代が早く油断すると大量発生します。
家庭菜園用の農薬では対象になっている物もあまり無く対策が大変。
成虫は葉を囓るので小松菜や水菜に大打撃となる他、幼虫は地中で大根やカブを囓って傷だらけにします。

●キノコムシ <要注意度:★>
椎茸やヒラタケなど茸類を食害する甲虫の総称。
色や模様違いなど種類は多いが、ほとんどは5mm前後の小さな虫です。
成虫が茸を囓る他、幼虫のウジ虫も内部を食い荒らしてすかすかにしてしまいます。
上の写真はホソチビオオキノコムシ。
体長4mm程度でオレンジの頭部が特徴です。

●クワゴマダラヒトリ <要注意度:★★>
基本的には果樹の新芽や葉を食い荒らす害虫。
しかし果樹に留まらず、そこらに生えている雑木から野菜まで物を問わず被害を与えます。
野菜へは移動してきた単独で見かけることが多いですが、果樹では卵を産み付けられて大量発生する場合もあるので注意が必要。
いかにも危険そうな毛虫だけど毒はありません。

●コオロギ <要注意度:★>
雑食性のコオロギ。
バッタを食べるという点では益虫だが苗を囓るのでやはり害虫。
敷藁をしているとその下に集まりやすいです。
子供の頃は平気で捕まえてたけど今はどうも苦手です。


●コガネムシ <要注意度:★★>
1枚目は成虫、2枚目は幼虫。
成虫はオクラや枝豆の葉を囓るけど被害は比較的少なめ。
問題は幼虫で根に大きなダメージを与えます。
植えた苗の外見は特に問題無いのにぐったりしてる時は一度掘り起こしてみてください。
コガネムシの幼虫が根を囓って養分や水分を吸収できなくなっている可能性が高いです。
またさつまいもを食害して穴だらけにすることも。

●コナガ <要注意度:★★>
プロ農家でも防除に苦労するらしい難防除害虫。
写真は成虫で1cm弱と小さな蛾です(後ろの寒冷紗の目が1mm)。
野菜に被害を与えるのは幼虫で、5mmほどの小さなアオムシがアブラナ科野菜の葉を薄皮だけ残して食害。
触ると激しく動き回ったり糸を吐いてぶら下がったりします。
世代交代がとても早く、一度発生してしまうと大量発生に繋がります。

●コメツキムシ <要注意度:★>
写真はコメツキムシの幼虫。
表面を殻に覆われたミミズのような姿をしています。
この幼虫が地中で根菜類を食い荒らして被害を出します。
幼虫の段階での別名はハリガネムシ。
ただしコメツキムシとは違う別の生物でハリガネムシという名前のものもいるのでややこしい。


●シロイチモジマダラメイガ <要注意度:★★>
枝豆などのさやに2枚目の写真のように小さな穴を開け中へ侵入する害虫。
侵入後は豆を食い荒らします。
体色が緑から紫がシロイチモジマダラメイガ、乳白から赤味を帯びているのがマメシンクイガ。
一度中に入られると駆除できないため、穴が開いてるさやは処分するはめに。
穴に気付かず茹でて食べてしまうと・・・うわぁ(´Д`;
豆類で最も面倒な害虫です。
●シンクイムシ →ハイマダラノメイガへ

●セスジスズメ <要注意度:★>
スズメガの一種の幼虫。
真っ黒な芋虫です。
里芋の主要害虫で、食欲旺盛なため成長すると9cm近くなる大物。
色が判りやすいのですぐ見つかりますが放置すると里芋の葉が無くなります。

●ダイコンサルハムシ <要注意度:★>
名前に大根と付いてますが、大根だけでなくアブラナ科全般を食害する害虫。
夏の終わりから秋頃に発生します。
写真では黒く見えるけど光の具合で青~紺色に見える甲虫。
農薬以外では地道に捕殺するしかなく大発生しやすい害虫です。
雑草があると越冬して翌年も発生するため、発生した場合は畑周りの雑草管理を念入りに。

●タバコガ <要注意度:★★>
トマトやピーマンなどの実に大きな穴をあけ中を食い荒らします。
中身を食べ終わるとまた次の実へとどんどん移動していくので、特にトマトでは早めに駆除したい害虫。
ヨトウムシに似てるけどよく見ると細かい毛が生えているので見分けがつきます。
同じ仲間で親となる蛾の違いによりタバコガとオオタバコガの2種類あり。
タバコガは主にナス科を、オオタバコガはナス科以外にもウリ科やキク科など広範囲に荒らします。
●テッポウムシ →カミキリムシへ
●テントウムシダマシ →ニジュウヤホシテントウへ

●トビムシ <要注意度:★>
野菜ではなく椎茸に付く害虫。
傘裏のひだひだ内に見える小さな黒点がトビムシです。
とても小さく肉眼ではゴミか何かと勘違いしやすい。
露地の原木栽培では避けては通れない害虫です。
放置すると椎茸を食害されますが、早めに収穫してトントンと叩き落としてやると大部分は落ちます。

●ナカジロシタバ <要注意度:★>
さつまいも、エンサイなどヒルガオ科の葉を食害する害虫。
5本ほどある黄色の縦線が特徴です。
葉を穴だらけにするが被害が目立つようになるのは幼虫が育った9月頃から。
ヒルガオ科は生長が早く9月過ぎには充分葉を増やしている場合が多いため、大量発生しなければそれほど問題にはなりません。

●ナシケンモン <要注意度:★>
ヤガ科の蛾の幼虫。
基本は樹木の葉を食べますが野菜にも付くことがあります。
褐色型の他に黒色型もあり。
うちの畑ではイチゴとシソでたまに見かけます。
頭部後ろの猫背が特徴。

●ナノクロムシ <要注意度:★>
アブラナ科の葉を食害する真っ黒な芋虫。
見た目からナノクロムシと呼ばれていますが、正しくはカブラハバチの幼虫です。
体長1~2cmほどと小さめだけど緑の葉に黒い虫なのでとても判りやすい。
葉に張り付いて食事をしてますが、触ると体を丸めてぽろっと落ちます。
捕殺する時はしっかり捕らえないと地面に落ちて見失ってしまうことも。

●ナメクジ <要注意度:★>
カタツムリが進化したナメクジ。
主に夜間に活動し野菜の葉や新芽を食べてしまいます。
イチゴとかは特に注意したい害虫。
黒マルチをしてあると這った跡が白く残るのでナメクジが原因だと判ります。
多発する所では結構な被害が出るようですが、うちの畑はカエルがとても多いせいかナメクジ被害はほとんどありません。

●ニジュウヤホシテントウ <要注意度:★>
28個の斑点があるテントウムシ、別名テントウムシダマシ。
ナナホシテントウがアブラムシを食べる益虫なのに対して、このニジュウヤホシテントウは野菜の葉を食べる害虫です。
ナスやジャガイモなどナス科野菜が標的。
↓は幼虫で昔服に付けて遊んだオナモミのような姿です。
この幼虫がたくさん出てくると被害が酷くなるので、成虫を見かけたら早めに対策を。


●ネギコガ <要注意度:★>
写真はネギコガの蛹。
ネギコガを見かけるのは大抵この蛹の状態です。
蛹の後ろのネギ側面が白くなってるの判るでしょうか?
ネギコガの幼虫はネギ内部へ入り込み、このように内側から表皮だけを残して食害します。
その後表に出てきて蛹へ。
名前の通り狙われるのはネギ属の野菜のみです。

●ネキリムシ <要注意度:★★★>
一匹当たりの被害度ではトップクラスの害虫で、カブラヤガなどヤガ類の幼虫。
夜間に行動し、苗の根元を囓って丸ごとダメにしてしまいます。
朝畑を見て根元から千切れてる苗があったらネキリムシの仕業。
被害を受けた翌朝ならその場所を掘ると土の中から出てきます。
次々と苗を倒していくので被害が出た時には確実に見つけ出したい害虫。
株が大きく育ち根元が太くなるとネキリムシが居ても被害は受けなくなります。

●ハイマダラノメイガ <要注意度:★★★>
シンクイムシは俗称で正式名称はハイマダラノメイガ(の幼虫)。
大根や白菜などアブラナ科の一部を狙ってきます。
特に大根で被害が多発。
葉の茎部分に侵入し、株元の芯の部分(成長点)へ食い進むのがシンクイムシの名の由来。
侵入された所から先の葉は枯れてしまい、成長点を食べられると株ごとやられます。
芯の奥に居るので駆除し辛いのに被害はかなり大きいので厄介度は高め。

●バッタ <要注意度:★>
こまかい分類はやめてバッタ類まとめて。
野菜の葉を食害します。
イナゴの大発生なんて起きたら全滅コースですよね。
家庭菜園だと被害を一番受けやすいのは写真のオンブバッタ。
発芽して間もない苗全般を攻撃する他、シソの葉によく付いてます。
●ハマキムシ →ワタノメイガへ

●ハモグリバエ <要注意度:★>
成虫のハエは野菜を食害することはありません。
加害するのは幼虫のウジ虫。
葉の中に入り込み蛇行しながら葉を食い進みます。
食い進んだ白い食害痕が筆で書き殴ったように見えるので別名「絵描き虫」とも呼ばれています。
マメ科、ナス科、ウリ科など多くの野菜で被害が見られるが、野菜の生育に致命的なダメージを与えることは少ない。

●ヒメエグリバ <要注意度:★>
雑草の合間などでたまに見かける黒い芋虫。
幼虫の食性はアオツヅラフジで、野菜に影響を与えたりはしません。
しかし成虫になると葡萄、梨、桃など果樹の実を吸汁して被害を与えます。
成虫の蛾は羽根部分が枯葉を模した立体的な形になってるのが特徴的。

●フタスジヒメハムシ <要注意度:★>
体長4mmほどで背中の2本のラインが特徴。
大豆や小豆など豆類の葉やさやを食害します。
葉の食害で致命的なダメージを受けることは少ないが、さやを囓られると変色し品質が落ちることに。
また幼虫は地中でマメ科特有の根粒部分を食害します。

●フタトガリコヤガ <要注意度:★>
ハマキムシと共にオクラでよく見かける害虫。
葉の裏に隠れたりせず普通に葉の上に居たりします。
多発はしないので厄介度は低め。
葉を見回って見かけたら捕殺で間に合います。

●ベニフキノメイガ <要注意度:★★>
シソやバジルなどシソ科の葉を好んで食い荒らす害虫。
食い荒らされた新芽辺りが蜘蛛の糸で綴られたようになっていたらこいつの仕業です。
写真はまだ小さいので判りにくいけど、背中のライン横には黒い斑点が並んでます。
シソの株が小さいうちに放置すると成長点を全てダメにされることもあり。
動きがかなり素早いので、捕まえる時は近付いたら一気に仕留めてください。
●ホソチビオオキノコムシ →キノコムシへ
●マメシンクイガ →シロイチモジマダラメイガへ

●メンガタスズメ <要注意度:★>
不自然なほど鮮やかな色の芋虫。
スズメガの仲間のためサイズもとても大きく10cm近くになります。
触覚と側面の模様が特徴的。
色・大きさ・模様と三拍子揃ってるので、野菜の手入れ中にいきなり発見するとかなり驚きます。
主にナス科野菜の葉を食害。
上の緑色の個体をよく見かけますが、黄色型や褐色型もいます。
下の写真は黄色型。
種類が違うのではなく生育環境の違いで色が変わるんだとか。
初めて見るとどっちが頭か判りにくいけど、角がある方が尻尾側です。



●ヨトウムシ <要注意度:★★>
野菜作りをする上で誰もが敵対するであろうヨトウムシ。
ヨトウムシってのは総称で、ハスモンヨトウ・ヨトウガ・シロイチモジヨトウなど複数います。
1枚目がハスモンヨトウ、2枚目がシロイチモジヨトウ(シロシタヨトウかも?ちょっと自信無い)。
後ろ足は4対で、頭の後ろに黒い大きめの斑点があるのがハスモンヨトウ、無いのがヨトウガ。
シロイチモジヨトウは緑色の個体が多いです。
夜盗虫の名前の通り、夜間に出てきていろんな野菜の葉を食い荒らします。
大量発生しやすく特に結球野菜では大きな被害が出ます。
下の1枚目がヨトウムシの卵。
場合によってはもっとたくさん産み付けて孵化すると大量のヨトウムシが沸きます。
下の2枚目は蛹で冬に耕すとよく出てきます。



●ヨモギエダシャク <要注意度:★>
ニンジンなどでよく見かける害虫。
葉を食害します。
茎や枝に似ているのでぱっと見だと見落としがち。
名前の通り歩くときはシャクトリ状に歩きます。

●ワタノメイガ <要注意度:★>
オクラでよく見かける害虫、通称ハマキムシ。
写真のように葉を丸めて中に隠れてるのですぐ見つかります。
見つけたら虫を捕殺し、次の被害を見つけられるよう丸まった葉は除去しておくのがいいでしょう。
ハマキムシ類の中には葉を丸めるのではなく折りたたむタイプもあり。
写真撮影待ちリスト
・コナジラミ
・ハダニ
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<野菜作りで出会う害虫達>
野菜作りをする上で避けては通れないのが害虫対策。
比較的害虫に強い野菜もありますが、何も対策をしないとまともに収穫できない野菜も多いです。
対策をするためにはまず敵を知ること。
このコーナーでは家庭菜園でよく出会う害虫達を写真付きで紹介していきます。
名前が判れば対策法を探すこともできるので図鑑として役立ててください。
五十音順になっていて、要注意度は家庭菜園における駆除の優先度です。
(★:緊急性低め ~ ★★★:必ず対策が必要)。

●アオバハゴロモ <要注意度:★>
野菜や花など種類を問わず発生する害虫。
写真はアオバハゴロモの幼虫で、白い綿に混じって見分け辛いですが中央付近に一匹います。
この幼虫が出す白い綿状の分泌物が野菜の茎などに付着しているのをよく見かけます。
白い綿を取り除こうとすると綿の一部が飛んでくる(これが幼虫本体)ので驚くことも。
吸汁性の害虫ですが実害はあまり無く、大量発生しなければ放置してても問題ありません。


●アオムシ <要注意度:★★>
チョウの幼虫の中でも毛がなく緑色の個体を指しますが、家庭菜園で一般的なのはモンシロチョウの幼虫。
主にアブラナ科の野菜を狙ってきます。
モンシロチョウがアブラナ科野菜の周りを飛んでいたら要注意。
葉の裏に楕円形の小さな卵を一粒ずつ産み付けています(写真2枚目)。
葉の葉脈のみを残して食い荒らすので、寒冷紗など卵を産み付けられないようにする対策が重要。
↓はキャベツの中でぬくぬくと生き延び蛹化したアオムシ。


●アザミウマ <要注意度:★>
作物を吸汁して組織を傷つける害虫。
体長1mm以下と非常に小さく肉眼では見え辛い。
家庭菜園では写真のネギアザミウマをよく見かけます。
被害を受けた箇所は葉の表面が白くなってくるので、そこで初めてアザミウマにやられてると気付きます。

●アゲハ <要注意度:★★>
アゲハチョウの幼虫。
ニンジンやパセリなどの葉を好んで食べます。
食欲旺盛で放置するとすぐに葉が丸坊主に。
キアゲハが一番多く、葉に黄色い粒が付いていたら卵なので要注意です。
駆除の際に触るとオレンジ色の触角を出して臭いで威嚇してきます。

●アブラムシ <要注意度:★>
害虫の基本とも言うべきアブラムシ。
葉の裏側に大量に発生します。
最初は少ない数が飛来してきてそこから単為生殖で一気に増殖。
アブラムシと共存するアリが集まってくるので、株にアリが登ってるのを見かけたらご注意を。
ちなみにアブラムシと一緒に写ってる白い細かいのはアブラムシが脱皮した抜け殻です。
葉が弱ったりしますが野菜自体を直接食害することは少ないです。
しかし数々の病気を媒介するので放置すると大変なことに。
農薬なら多くの薬が対応してる他、ストチューや牛乳スプレーなどの自然農薬対応、天敵であるテントウムシ利用など対処法もいろいろあります。
↓の黒いアブラムシはワタアブラムシ。


●アメリカミズアブ <要注意度:★>
成虫は蜂に似た姿ですがハエの仲間で人を刺したりはしません。
畑で関わるのは写真の幼虫で、堆肥場やコンポストなど生ゴミがある場所に大量発生します。
直接の被害はありませんが、大きめのウジ虫がたくさん沸くため非常に気持ち悪い。
冬にはいなくなるものの、夏場堆肥場を開けたらこれが大量にいたりすると泣きたくなります。
生ゴミの分解能力はミミズ以上のため悪いことばかりではないのですがやはり不快害虫。

●アワダチソウグンバイ <要注意度:★>
キク科野菜やサツマイモに発生する3mmほどの小さな害虫。
作物を吸汁して組織を傷つけるため葉が白くかすれてきます。
名前の由来は羽根の形が相撲の行司が持つ軍配に似ていることから。
北米からの侵入害虫で近年生息域が拡大してるとか。
名前の通り本来はセイタカアワダチソウに付いていた害虫が野菜を食害するようになったようです。

●アワノメイガ <要注意度:★★★>
とうもろこしの主要害虫にして最大の敵。
とうもろこしの栽培はこのアワノメイガをどう対処するかどうかで決まります。
駆除をしていないと実の中に入り食い荒らす他、茎の中も食い進むので株ごと枯れる場合もあります。
虫の痕跡を見つけた時には既に入り込まれてることも多く、無農薬では対処が難しい害虫。
苗を保温しての早採り栽培ならアワノメイガの発生時期前に収穫することも一応可能。

●イモキバガ <要注意度:★>
さつまいもの葉を食べる害虫でイモコガと呼ばれる場合も。
写真のように糸を吐いて葉を二つ折りにしてその中に居座ります。
中から薄皮一枚残して葉の表面だけを食べる器用なやつ。
被害葉は目立つが葉の増えるペースの方が速いため実害は少ない。
●イモコガ →イモキバガへ

●イラガ <要注意度:★>
野菜ではなく果樹に多い害虫。
葉の裏に数匹集まってたりします。
葉を食い荒らされてたらゴム手袋などでしっかりガードしてから調査と駆除を。
トゲに毒があるため素手で触ると激痛が走り、数日赤く腫れてかゆみが続きます。
痛みが強いため電気虫と呼ばれたり、地方によって多数の呼び名があります。
●ウスカワマイマイ →カタツムリへ

●ウリハムシ <要注意度:★★>
キュウリ、カボチャ、スイカなどウリ科野菜の主要害虫。
大量に飛んできては葉を食い荒らす他、実の表面を囓ることも。
追い払ってもすぐにまた飛んで戻ってきます。
特に小さい苗の頃には葉を全て囓られ枯らされることも多々あり。
また株元に卵を産み付け、幼虫が根に対しても加害します。

●ウワバ <要注意度:★>
ヨトウムシやアオムシなどと間違えやすい害虫。
葉物野菜なども食べるため被害は出るが、多発しないので厄介度は低め。
ヨトウムシとの違いはヨトウムシが後ろ足4対に対してウワバは2対のみ。
またシャクトリ状に歩くためアオムシとも判別できます。
↓はウリ科野菜に付くウリキンウワバ。


●カタツムリ <要注意度:★>
みなさんご存じカタツムリ。
種類が多いので一纏めでカタツムリとして扱います。
子供が喜ぶカタツムリも野菜を食害する種類があり畑では立派な害虫。
白菜やレタスなど葉物中心に食害します。
上の写真はウスカワマイマイ。
育っても直径2cm前後の小さいカタツムリで、畑の害虫としてのカタツムリでは一番よく見かける種類だと思います。
●カブラハバチ →ナノクロムシへ
●カブラヤガ →ネキリムシへ

●カミキリムシ <要注意度:★★>
畑で問題となるのはカミキリムシの幼虫で、果樹に大きな被害を与えます。
幼虫が幹の中を食い進み、場合によっては木そのものを枯らせてしまうことも。
うちの畑ではハッサク・みかんなど柑橘類の天敵です。
幼虫の状態ではテッポウムシとも呼ばれていて、木の幹に丸い穴が空いていたら侵入された可能性あり。
成虫を見かけたら卵を産み付けられないよう駆除し、幹に穴が空いてないか確認しましょう。
↓はご存じカミキリムシ成虫。


●カメムシ <要注意度:★>
非常に種類の多いカメムシ。
大きさや色・形も様々です。
「カメムシ」ってのはカメムシ科の総称で正式名称がカメムシって虫はいません。
触るときつい臭いを出すことでも有名ですね。
オクラや枝豆など一部の野菜の実を吸汁して被害を与える他、果樹の実に大きな被害を与えます。
↓はフタスジハリカメムシの卵


●キスジノミハムシ <要注意度:★★>
アブラナ科を狙ってくる難防除害虫。
体長2mmほどで寒冷紗を抜けてくる上、人が近付くと飛び跳ねて逃げるので捕殺も困難。
しかも世代交代が早く油断すると大量発生します。
家庭菜園用の農薬では対象になっている物もあまり無く対策が大変。
成虫は葉を囓るので小松菜や水菜に大打撃となる他、幼虫は地中で大根やカブを囓って傷だらけにします。

●キノコムシ <要注意度:★>
椎茸やヒラタケなど茸類を食害する甲虫の総称。
色や模様違いなど種類は多いが、ほとんどは5mm前後の小さな虫です。
成虫が茸を囓る他、幼虫のウジ虫も内部を食い荒らしてすかすかにしてしまいます。
上の写真はホソチビオオキノコムシ。
体長4mm程度でオレンジの頭部が特徴です。

●クワゴマダラヒトリ <要注意度:★★>
基本的には果樹の新芽や葉を食い荒らす害虫。
しかし果樹に留まらず、そこらに生えている雑木から野菜まで物を問わず被害を与えます。
野菜へは移動してきた単独で見かけることが多いですが、果樹では卵を産み付けられて大量発生する場合もあるので注意が必要。
いかにも危険そうな毛虫だけど毒はありません。

●コオロギ <要注意度:★>
雑食性のコオロギ。
バッタを食べるという点では益虫だが苗を囓るのでやはり害虫。
敷藁をしているとその下に集まりやすいです。
子供の頃は平気で捕まえてたけど今はどうも苦手です。


●コガネムシ <要注意度:★★>
1枚目は成虫、2枚目は幼虫。
成虫はオクラや枝豆の葉を囓るけど被害は比較的少なめ。
問題は幼虫で根に大きなダメージを与えます。
植えた苗の外見は特に問題無いのにぐったりしてる時は一度掘り起こしてみてください。
コガネムシの幼虫が根を囓って養分や水分を吸収できなくなっている可能性が高いです。
またさつまいもを食害して穴だらけにすることも。

●コナガ <要注意度:★★>
プロ農家でも防除に苦労するらしい難防除害虫。
写真は成虫で1cm弱と小さな蛾です(後ろの寒冷紗の目が1mm)。
野菜に被害を与えるのは幼虫で、5mmほどの小さなアオムシがアブラナ科野菜の葉を薄皮だけ残して食害。
触ると激しく動き回ったり糸を吐いてぶら下がったりします。
世代交代がとても早く、一度発生してしまうと大量発生に繋がります。

●コメツキムシ <要注意度:★>
写真はコメツキムシの幼虫。
表面を殻に覆われたミミズのような姿をしています。
この幼虫が地中で根菜類を食い荒らして被害を出します。
幼虫の段階での別名はハリガネムシ。
ただしコメツキムシとは違う別の生物でハリガネムシという名前のものもいるのでややこしい。


●シロイチモジマダラメイガ <要注意度:★★>
枝豆などのさやに2枚目の写真のように小さな穴を開け中へ侵入する害虫。
侵入後は豆を食い荒らします。
体色が緑から紫がシロイチモジマダラメイガ、乳白から赤味を帯びているのがマメシンクイガ。
一度中に入られると駆除できないため、穴が開いてるさやは処分するはめに。
穴に気付かず茹でて食べてしまうと・・・うわぁ(´Д`;
豆類で最も面倒な害虫です。
●シンクイムシ →ハイマダラノメイガへ

●セスジスズメ <要注意度:★>
スズメガの一種の幼虫。
真っ黒な芋虫です。
里芋の主要害虫で、食欲旺盛なため成長すると9cm近くなる大物。
色が判りやすいのですぐ見つかりますが放置すると里芋の葉が無くなります。

●ダイコンサルハムシ <要注意度:★>
名前に大根と付いてますが、大根だけでなくアブラナ科全般を食害する害虫。
夏の終わりから秋頃に発生します。
写真では黒く見えるけど光の具合で青~紺色に見える甲虫。
農薬以外では地道に捕殺するしかなく大発生しやすい害虫です。
雑草があると越冬して翌年も発生するため、発生した場合は畑周りの雑草管理を念入りに。

●タバコガ <要注意度:★★>
トマトやピーマンなどの実に大きな穴をあけ中を食い荒らします。
中身を食べ終わるとまた次の実へとどんどん移動していくので、特にトマトでは早めに駆除したい害虫。
ヨトウムシに似てるけどよく見ると細かい毛が生えているので見分けがつきます。
同じ仲間で親となる蛾の違いによりタバコガとオオタバコガの2種類あり。
タバコガは主にナス科を、オオタバコガはナス科以外にもウリ科やキク科など広範囲に荒らします。
●テッポウムシ →カミキリムシへ
●テントウムシダマシ →ニジュウヤホシテントウへ

●トビムシ <要注意度:★>
野菜ではなく椎茸に付く害虫。
傘裏のひだひだ内に見える小さな黒点がトビムシです。
とても小さく肉眼ではゴミか何かと勘違いしやすい。
露地の原木栽培では避けては通れない害虫です。
放置すると椎茸を食害されますが、早めに収穫してトントンと叩き落としてやると大部分は落ちます。

●ナカジロシタバ <要注意度:★>
さつまいも、エンサイなどヒルガオ科の葉を食害する害虫。
5本ほどある黄色の縦線が特徴です。
葉を穴だらけにするが被害が目立つようになるのは幼虫が育った9月頃から。
ヒルガオ科は生長が早く9月過ぎには充分葉を増やしている場合が多いため、大量発生しなければそれほど問題にはなりません。

●ナシケンモン <要注意度:★>
ヤガ科の蛾の幼虫。
基本は樹木の葉を食べますが野菜にも付くことがあります。
褐色型の他に黒色型もあり。
うちの畑ではイチゴとシソでたまに見かけます。
頭部後ろの猫背が特徴。

●ナノクロムシ <要注意度:★>
アブラナ科の葉を食害する真っ黒な芋虫。
見た目からナノクロムシと呼ばれていますが、正しくはカブラハバチの幼虫です。
体長1~2cmほどと小さめだけど緑の葉に黒い虫なのでとても判りやすい。
葉に張り付いて食事をしてますが、触ると体を丸めてぽろっと落ちます。
捕殺する時はしっかり捕らえないと地面に落ちて見失ってしまうことも。

●ナメクジ <要注意度:★>
カタツムリが進化したナメクジ。
主に夜間に活動し野菜の葉や新芽を食べてしまいます。
イチゴとかは特に注意したい害虫。
黒マルチをしてあると這った跡が白く残るのでナメクジが原因だと判ります。
多発する所では結構な被害が出るようですが、うちの畑はカエルがとても多いせいかナメクジ被害はほとんどありません。

●ニジュウヤホシテントウ <要注意度:★>
28個の斑点があるテントウムシ、別名テントウムシダマシ。
ナナホシテントウがアブラムシを食べる益虫なのに対して、このニジュウヤホシテントウは野菜の葉を食べる害虫です。
ナスやジャガイモなどナス科野菜が標的。
↓は幼虫で昔服に付けて遊んだオナモミのような姿です。
この幼虫がたくさん出てくると被害が酷くなるので、成虫を見かけたら早めに対策を。


●ネギコガ <要注意度:★>
写真はネギコガの蛹。
ネギコガを見かけるのは大抵この蛹の状態です。
蛹の後ろのネギ側面が白くなってるの判るでしょうか?
ネギコガの幼虫はネギ内部へ入り込み、このように内側から表皮だけを残して食害します。
その後表に出てきて蛹へ。
名前の通り狙われるのはネギ属の野菜のみです。

●ネキリムシ <要注意度:★★★>
一匹当たりの被害度ではトップクラスの害虫で、カブラヤガなどヤガ類の幼虫。
夜間に行動し、苗の根元を囓って丸ごとダメにしてしまいます。
朝畑を見て根元から千切れてる苗があったらネキリムシの仕業。
被害を受けた翌朝ならその場所を掘ると土の中から出てきます。
次々と苗を倒していくので被害が出た時には確実に見つけ出したい害虫。
株が大きく育ち根元が太くなるとネキリムシが居ても被害は受けなくなります。

●ハイマダラノメイガ <要注意度:★★★>
シンクイムシは俗称で正式名称はハイマダラノメイガ(の幼虫)。
大根や白菜などアブラナ科の一部を狙ってきます。
特に大根で被害が多発。
葉の茎部分に侵入し、株元の芯の部分(成長点)へ食い進むのがシンクイムシの名の由来。
侵入された所から先の葉は枯れてしまい、成長点を食べられると株ごとやられます。
芯の奥に居るので駆除し辛いのに被害はかなり大きいので厄介度は高め。

●バッタ <要注意度:★>
こまかい分類はやめてバッタ類まとめて。
野菜の葉を食害します。
イナゴの大発生なんて起きたら全滅コースですよね。
家庭菜園だと被害を一番受けやすいのは写真のオンブバッタ。
発芽して間もない苗全般を攻撃する他、シソの葉によく付いてます。
●ハマキムシ →ワタノメイガへ

●ハモグリバエ <要注意度:★>
成虫のハエは野菜を食害することはありません。
加害するのは幼虫のウジ虫。
葉の中に入り込み蛇行しながら葉を食い進みます。
食い進んだ白い食害痕が筆で書き殴ったように見えるので別名「絵描き虫」とも呼ばれています。
マメ科、ナス科、ウリ科など多くの野菜で被害が見られるが、野菜の生育に致命的なダメージを与えることは少ない。

●ヒメエグリバ <要注意度:★>
雑草の合間などでたまに見かける黒い芋虫。
幼虫の食性はアオツヅラフジで、野菜に影響を与えたりはしません。
しかし成虫になると葡萄、梨、桃など果樹の実を吸汁して被害を与えます。
成虫の蛾は羽根部分が枯葉を模した立体的な形になってるのが特徴的。

●フタスジヒメハムシ <要注意度:★>
体長4mmほどで背中の2本のラインが特徴。
大豆や小豆など豆類の葉やさやを食害します。
葉の食害で致命的なダメージを受けることは少ないが、さやを囓られると変色し品質が落ちることに。
また幼虫は地中でマメ科特有の根粒部分を食害します。

●フタトガリコヤガ <要注意度:★>
ハマキムシと共にオクラでよく見かける害虫。
葉の裏に隠れたりせず普通に葉の上に居たりします。
多発はしないので厄介度は低め。
葉を見回って見かけたら捕殺で間に合います。

●ベニフキノメイガ <要注意度:★★>
シソやバジルなどシソ科の葉を好んで食い荒らす害虫。
食い荒らされた新芽辺りが蜘蛛の糸で綴られたようになっていたらこいつの仕業です。
写真はまだ小さいので判りにくいけど、背中のライン横には黒い斑点が並んでます。
シソの株が小さいうちに放置すると成長点を全てダメにされることもあり。
動きがかなり素早いので、捕まえる時は近付いたら一気に仕留めてください。
●ホソチビオオキノコムシ →キノコムシへ
●マメシンクイガ →シロイチモジマダラメイガへ

●メンガタスズメ <要注意度:★>
不自然なほど鮮やかな色の芋虫。
スズメガの仲間のためサイズもとても大きく10cm近くになります。
触覚と側面の模様が特徴的。
色・大きさ・模様と三拍子揃ってるので、野菜の手入れ中にいきなり発見するとかなり驚きます。
主にナス科野菜の葉を食害。
上の緑色の個体をよく見かけますが、黄色型や褐色型もいます。
下の写真は黄色型。
種類が違うのではなく生育環境の違いで色が変わるんだとか。
初めて見るとどっちが頭か判りにくいけど、角がある方が尻尾側です。



●ヨトウムシ <要注意度:★★>
野菜作りをする上で誰もが敵対するであろうヨトウムシ。
ヨトウムシってのは総称で、ハスモンヨトウ・ヨトウガ・シロイチモジヨトウなど複数います。
1枚目がハスモンヨトウ、2枚目がシロイチモジヨトウ(シロシタヨトウかも?ちょっと自信無い)。
後ろ足は4対で、頭の後ろに黒い大きめの斑点があるのがハスモンヨトウ、無いのがヨトウガ。
シロイチモジヨトウは緑色の個体が多いです。
夜盗虫の名前の通り、夜間に出てきていろんな野菜の葉を食い荒らします。
大量発生しやすく特に結球野菜では大きな被害が出ます。
下の1枚目がヨトウムシの卵。
場合によってはもっとたくさん産み付けて孵化すると大量のヨトウムシが沸きます。
下の2枚目は蛹で冬に耕すとよく出てきます。



●ヨモギエダシャク <要注意度:★>
ニンジンなどでよく見かける害虫。
葉を食害します。
茎や枝に似ているのでぱっと見だと見落としがち。
名前の通り歩くときはシャクトリ状に歩きます。

●ワタノメイガ <要注意度:★>
オクラでよく見かける害虫、通称ハマキムシ。
写真のように葉を丸めて中に隠れてるのですぐ見つかります。
見つけたら虫を捕殺し、次の被害を見つけられるよう丸まった葉は除去しておくのがいいでしょう。
ハマキムシ類の中には葉を丸めるのではなく折りたたむタイプもあり。
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No title
大変参考になりました。それぞれよく見かける害虫が写真と解説で分かりやすかったです。感謝です!
No title
>>derachanさん
これから暑くなって害虫も本気出してきますからねー。
お互い害虫対策がんばりましょう。
これから暑くなって害虫も本気出してきますからねー。
お互い害虫対策がんばりましょう。
作物害虫
害虫の写真見て参考になりました。
どの様な害虫にやられているのか、分からないので薬剤選びも
大変でした。
ついでに、薬剤も紹介されていると良かったと感じました。
どの様な害虫にやられているのか、分からないので薬剤選びも
大変でした。
ついでに、薬剤も紹介されていると良かったと感じました。
No title
>>黒木マサヒロさん
申し訳ない。
できるだけ農薬は使わないように進めてるので農薬はあまり詳しくないんですよ。
使ってもホームセンターで安く手に入るオルトランやスミチオン程度ですし。
害虫の名前が判ったら農薬を扱ってるサイトで検索してみてください。
申し訳ない。
できるだけ農薬は使わないように進めてるので農薬はあまり詳しくないんですよ。
使ってもホームセンターで安く手に入るオルトランやスミチオン程度ですし。
害虫の名前が判ったら農薬を扱ってるサイトで検索してみてください。
害虫
大変参考になりました。写真があると分かりやすくて助かります。
が私の探している害虫が見当たりませんでした。
カタツムリの小さな奴で白菜、大根の葉、等を食い尽くす害虫です。
岩手県なのですが12月頃になると土の中にもぐり始めます。毎年毎年数が増えていくように思われます。ぜひ名前を知りたいのです。
よろしくお願いします。
が私の探している害虫が見当たりませんでした。
カタツムリの小さな奴で白菜、大根の葉、等を食い尽くす害虫です。
岩手県なのですが12月頃になると土の中にもぐり始めます。毎年毎年数が増えていくように思われます。ぜひ名前を知りたいのです。
よろしくお願いします。
No title
>>きくちゃんさん
カタツムリ載せてませんでしたね。
後で追加しておきます。
白菜を食害する小さいカタツムリとのことで、恐らくウスカワマイマイではないでしょうか?
うちの畑も白菜やレタスで被害を受けてます。
カタツムリ載せてませんでしたね。
後で追加しておきます。
白菜を食害する小さいカタツムリとのことで、恐らくウスカワマイマイではないでしょうか?
うちの畑も白菜やレタスで被害を受けてます。
No title
ありがとうございます。
ウスカワマイマイこのカタツムリです。10年ぐらい前は見かけないかんじでしたが最近は非常に多くいたるところに見かけます。
退治するのは難しいのかと思いますね。
ウスカワマイマイこのカタツムリです。10年ぐらい前は見かけないかんじでしたが最近は非常に多くいたるところに見かけます。
退治するのは難しいのかと思いますね。
No title
害虫の検索で辿り着きました。
とても参考になります。
「うちにも出るわ~」とか思うのが結構載ってました。
とても参考になります。
「うちにも出るわ~」とか思うのが結構載ってました。
No title
>>芋屋さん
家庭菜園で見かけるメジャーな害虫は大体載ってるかと思います。
このページが増えるってことはそれだけ野菜が被害に遭ってるってことなので喜ばしいことではないのですが(笑)
家庭菜園で見かけるメジャーな害虫は大体載ってるかと思います。
このページが増えるってことはそれだけ野菜が被害に遭ってるってことなので喜ばしいことではないのですが(笑)
エダマメの害虫防除
エダマメの軸に並んでグレイー色の甲虫の様な虫が付いていました。
捕まえようとしたら飛んで逃げられました。
被害が出ないうちに防除したいと思うのですが、安全性が高い防除材はないでしょうか?
捕まえようとしたら飛んで逃げられました。
被害が出ないうちに防除したいと思うのですが、安全性が高い防除材はないでしょうか?
害虫対策を教えてください
朝顔などの茎を食べてしまう虫がいて困っています。
ごぼうの新芽も食べてしまいました。
ネキリムシかと思って薬で対応しましたが効き目がありませんでした。
後で気がついたのですが、土の表面を見ましたら、まさかの光景で巻貝(タニシに似た白い貝殻です)の中に入った虫がいてこれがいっぱい転がっていました。
これはなんという虫いでしょうか? この虫を抑える対策はございますでしょうか?
ごぼうの新芽も食べてしまいました。
ネキリムシかと思って薬で対応しましたが効き目がありませんでした。
後で気がついたのですが、土の表面を見ましたら、まさかの光景で巻貝(タニシに似た白い貝殻です)の中に入った虫がいてこれがいっぱい転がっていました。
これはなんという虫いでしょうか? この虫を抑える対策はございますでしょうか?
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てんとう虫の卵
今まで、知らずにナナホシテントウ虫などの幼虫を青虫達と一緒に潰していました。
ネットでいつか見て、反省。卵も知りたいので、また教えてください
ネットでいつか見て、反省。卵も知りたいので、また教えてください
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No title
大変参考になりました。今日枝豆に黒く丸い虫を発見して捕まえようと
したら、飛んだのか跳ねたのか見失ってめちゃくちゃ悔しくて
検索してたところ、キスジノミハムシ!に似てると思いました。
その他にも見かける害虫がいて分かりやすかったです。
有難うございましたペコリ(o_ _)o))
したら、飛んだのか跳ねたのか見失ってめちゃくちゃ悔しくて
検索してたところ、キスジノミハムシ!に似てると思いました。
その他にも見かける害虫がいて分かりやすかったです。
有難うございましたペコリ(o_ _)o))
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